法然上人御作の歌です。 鎌倉時代の勅撰和歌集『続千載和歌集』にも選ばれています。その詞書に「光明遍照十方世界念仏衆生摂取不捨の心を」※とあるように、阿弥陀仏の光明は、全世界をあまねく照らし、どんな人をも掬い取るという慈悲の心を歌われたものです。 しかし、月が照り映えていても見ようとしない人には、阿弥陀仏の光明にも気づきません。逆に月のない夜でも心に月を思い浮かべて月光を宿すこともできます。 ※「光明遍照十方世界念仏衆生摂取不捨の心を」の『遍』の文字は、本来はぎょうにんべんに扁と書きます。