2022/03/31
副住職の「歳時記」vol.08 2022年(令和4年)3月 春季彼岸会
聖号十称
今年の冬は寒いですね。お寺にいると、朝に桶や蓮華鉢の水が凍っているのを見て、「今日は本当に冷えるな」と感じます。年に数回あればいいのが、今年は毎日のように凍る時も。その冬も折り返しを過ぎて、あっという間にお彼岸の季節が訪れようとしています。
お彼岸はご先祖様を思うと共に、自分自身を見つめ直して精神を整える期間でもあります。新年度を迎える前と重なって、自身を思うにはいいタイミングです。また、お中日の春分・秋分の日は太陽が真東から昇り真西に沈みます。私たちが往生を願うお浄土を「西方極楽浄土」と言うように、沈みゆく太陽を見て「あの方角にお浄土の世界があるんだ」と思いを馳せるのもいいでしょう。夕日を眺めてお浄土をイメージすることは、「日想観(にっそうかん)」と言う修行法としてお経にも説かれています。日頃、私たちはただ念仏をお称えするのを第一としていますが、念仏をより一層お称えする手助けになると考えれば、意味のない行はありません。
コロナウイルスが猛威を奮っていますが、お気を付けてお参り下さい。
至心合掌