2022/07/31
副住職の「歳時記」vol.10 2022年(令和4年)7月 盂蘭盆会
伊藤 悦央
聖号十称
『善(よ)き地に善き種を蒔かんがごとし。構えて善人にしてしかも念仏を修すべし。これを真実に仏教に随う者というなり』
浄土宗の教えは、お念仏をお称えしたすべての人の極 楽往生が約束されていますが、亡くなるまで好き勝手に生きていいとは言われていません。法然上人は阿弥陀仏の慈悲を父母の愛のように、「善き子をも悪(あ)しき子をも育めども、善き子をば喜び、悪しき子には嘆くがごとし」と例えました。非常にシンプルで分かりやすいですね。自身では悟れないことを自覚し、仏によって救われるとしても、「出来ることはしましょう」という思いが大事です。他力本願だとしても、この「出来ることはやる」精神が浄土宗の特徴であり、良い点だと思います。あくまで自身の範囲でご無理のないように。人と比べる必要はありません。
お盆はご先祖様が帰ってくる日とされています。普段、ご先祖様に恥ずかしくないようにと律する私たちの思いは、善い行いをして阿弥陀様にお喜び頂くことに、繋がっているのではないでしょうか。
至心合掌